「Web2.0」というキーワードは一般に浸透し、新聞や雑誌などを
含めて、さまざまなところで目にするようになりました。「Web2.0」自体の解説
は、雑誌や書籍、Webと、どれを読めばいいか迷うほどです。
しかし、技術や社会現象としてではなく、ビジネスパーソンが「Web2.0」をどの
ように理解し、どのように利用するべきかといった解説はなく、「Web2.0」ビジ
ネスを実践する方法論や開発アプローチについての手がかりはなかったわけで
す。
本書は、そういったビジネスパーソンに向けて書き下ろした新書です。
「Web2.0」ビジネスについて、15のルールを挙げて解説しています。
前半では、主に事業を興したり、新しいプロジェクトを立ち上げる際の心得
や考え方について説明しています。事業やマーケティングの戦略など、「ビジネ
ス 2.0」とも言える内容です。後半は、Web2.0的なサービスを継続的にユーザー
に提供していく上での具体的な情報を掲載しています。歴史的な背景も含めた
技術的な要素もありますが、ビジネスプロデューサーや営業担当などが理解して
おくべき知識です。
ネット企業のように直接的にWeb2.0というWebの進化に関わる業界であれば、本
書は非常に有効な参考書となるでしょう。同時に、現在はインターネットとは接
点のない業界のビジネスパーソンにとっても、新しいビジネスモデルを生み出し
ていく上での情報源として役に立つはずです。むしろ、ネット関連ではない
企業こそ、「Web2.0」を活用すべきであり、すでに多くの企業が「Web2.0」的ア
プローチを実行しています。
そのヒントは、本書の中にあります。
「Web2.0」というキーワードは、ビジネスやIT系の媒体だけではなく、新聞や一般雑誌などでも取り上げられるようになり、確実に市民権を得たといってもよいでしょう。しかし、その概念を活用したビジネスを実践するための方法論や開発アプローチは、どのようなものなのでしょうか?本書は、「Web2.0的ビジネス」の最前線で活躍する著者が、その経験から得たノウハウを15のルールとして挙げて、それぞれの背景や実践方法などをわかりやすく解説しています。
序章 Web2.0とは何か(「受信」「検索」「発信」「共有」がWeb2.0の四要素
社会現象となったWeb2.0
Webはいかに進化してきたのか)
第1章 事業創造編(グーグルに見るWeb2.0時代のゲーム理論
サービスか、プロダクトか?ビジネスモデルの選択
Web2.0的組織こそ必須条件
IPOか、バイアウトか?エグジットモデルの選択
頭を狙うか、尾を狙うか…ロングテールを理解する)
第2章 ブランディング編(広告より広報
誰にどう見られたいのかを決める
ブログとRSS/Atomフィードこそ武器)
第3章 開発モデル編(ソフトウェアのパラダイムシフトを理解する
軽量かつポータブルであること
リッチなユーザーインターフェイスの提供
マッシュアップとフィードの活用)
第4章 オペレーション編(無意識なユーザー参加を促進する
技術だけではなくビジネスアーキテクチャで勝負する
ユーザーと共にサービス規模の拡大を目指す)